仕事の質を上げる

仕事の質を上げるには、本質的には目的の質を上げるしかない、と思っている。

「何故働くのか?」
そう聞かれた時、何と答えるのか。

答える相手は親でも兄弟でも友人でも先輩でも上司でもない。

【自分自身に】だ。

自分自身に対して、働く理由をどう説明するのか。
そこには一切の嘘をつく必要がなくなる。
それと同時に自分の本心と向き合うことになる。

すぐに答えが出るものではない。

迷って、悩んで、時間をかけて、心のノイズが消えた時、本心が湧き上がってくる。

その答えは、お金か? 安心か? 保障か?

きっと、普段思ってもみなかった答えが出てきたことにびっくりするだろう。
けれども世間一般の答えから外れる「その答え」こそが本質的な仕事のモチベーションであり、それを追い求めることこそが仕事の質を上げることに繋がると考えている。



もう一つ、仕事の質を上げる方法がある。
それは「上司の目線に合わせること」だ。

自分が目の前の欲望、例えば週末女の子と遊びたいがために毎日働いているとしても、上司が「お客様を喜ばせる」ことを目的にしているのであればその感覚に合わせていく必要がある、ということ。

少し難しい言葉で「全体性を含む」という言い方をする。
自分のトクだけを考えるのではなく、全体を見てどう動けば良くなっていくのか、という視点で物事を考えていくのだ。

自分のトクだけでなく、全体のトクを考えていく。
こう考えると、個人的に見ればむしろソンしているように見えることだってある。
それは「どれだけの期間で物事を見るか」に掛かってくる。

「今この瞬間」トクすれば良いのか。
今ちょっと手間を掛けることで少し先、もっと良くなるように動くのか。
それとも、もっと先、何年も経ってから大きく花開くよう考えて行動するのか。

このスパンが長いほど難易度は上がり、それゆえに自分自身が磨かれる。
そして自分自身が磨かれるからこそ、同じ仕事であっても自然とその質は上がり、周囲からの評価だって上がっていく。



もしかしたら上司よりも自分の見ている目線の方が高いかもしれない。
そんな時は「今置かれた場所」で自分がやれる最善を尽くせば良い。

結果として問題が起きてその職場を離れることもあるかもしれない。
けれどもそんな時だって、見てくれている人はちゃんといる。

恐れず、次の場所に進めば良い。

自分がそれまで信じてやってきたことは自分の力となり、次の場所で確実に生かされる。
なぜなら、次に与えられる場所は自分が信じてやってきた「それ」をより活かせる場所だからだ。

離別を恐れることなかれ。
別れは同時に新たなる出会いの前兆だから。
これまでの関係性に執着すれば、その執着が新たな縁を潰してしまう。

「何故働くのか?」
その答えを見つけることができれば、どこに行ったって最高の仕事をすることができるものだ。