神代の国

子どもの頃、ファンタジーが大好きだった。

キラキラしたおとぎ話。龍やエルフが彩る魔法の世界。

その割にはファンタジーイメージの原型を作った指輪物語は第一巻で挫折した。

 

ファンタジー好きの影響か、気付けばギリシャ神話に親しむようになっていた。

 

数ある神話の中からギリシャ神話に惹かれたのは、恐らく哲学や宇宙に興味のベクトルが向いていたことと無関係ではない。

 

哲学や宇宙の用語には、ギリシャ神話で描かれるオリュンポスの神々由来の言葉が少なくないから。

 

 

 

ギリシャ神話を読みながら、現存するギリシャの国と神話に出てくる土地が何となくリンクしていることに感動を覚えた。

 

私にとって、ギリシャ神話の世界はファンタジーそのものだった。

慣れ親しんだマンガの世界には、ギリシャ神話の世界観とファンタジーの要素を併せ持ったものが少なくなかったから、そう感じていたのは当然だったのかもしれない。

 

また同じように神話と土地がリンクしていたこと、慣れ親しんだサブカルがファンタジーと一緒に要素を取り入れていた関係で、北欧神話にも憧れを覚えた。

 

雪がもっこりと積もる北欧の森や抜けるような白い肌。

精霊の国かと錯覚しそうな独特の幻想的風景と相まって、私の中でギリシャ・北欧はファンタジーとリンクした神代の国だった。